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真実の逆転2

【真実の逆転2】 推薦
■制作者/spyglass(ダウンロード
■容量/7.36MB

テーマパーク「カメレオンランド」で起こった殺人事件。容疑者はなんと、新米弁護士主央公人の幼なじみ、奥苗保だった。状況はどう見ても奥苗に不利。奥苗の無実を証明するべく、公人は早速調査に乗り出すが、次々と意外な事実が。公人は果たして奥苗の無実を勝ち取れるのか。「逆転裁判」風の推理アドベンチャーゲーム。

ここが○

ここが×

■「異議あり!」は出てきません

私は、「推理物」には少々厳しい評価をする傾向にあります。元々推理物をそう好んで読む訳ではないというのもありますが、推理ノベルって、どうもトリック命の「推理パズル」みたいになってしまって、「物語」としての読み応えが凄く薄くなりがちなんですよね。いきおい、キャラクターも「推理パズルのための駒」みたいになってしまいがちです。または、物語が面白いと今度は推理部分が少々強引だったりと。

そんな中、推理物としても、そして物語としての面白さも持った作品が登場しました。こんなに短期間に「推薦」をまたつけていいのかという気もしますが、いいんです、面白いんだから(笑)。この「真実の逆転2」、タイトルでお分かりの通り、あの「逆転裁判」風の推理アドベンチャーゲームです。実に良く出来ており、私などは思わず膝を叩きました。叩きすぎて膝が腫れ上がった程です(誇張あり)。

事件は、テーマパークで起こった殺人事件。容疑者は、主人公である新米弁護士の幼なじみ。状況をどうみても、彼が犯人としか思えません。この状況から、捜査を開始します。「逆転裁判」風とは書きましたが、法廷のシーンはありません。ですから「異議あり!」はないです(笑)。ですが、相手の証言の矛盾点に対し、証拠品を突きつけるといった、「らしい」システムがゲーム性を高めています。

また、キャラクターが良く出来ているのも特筆すべき点です。推理ノベルの登場人物って、どうしても無味乾燥になりがちなんですが、今作は主人公の主央公人を始めとして、ワトスン役(という程の働きはしてない気が(笑 ))の女子高生緋色いんこ、上司の師堂匠や、警察側の堅持ちはるや、お調子者の早乙女啓二など、脇役も非常によく出来ています。脇役が主役を上手く引っ張っており、かつ主役の行動を邪魔しません。これは見事ですね。

さて、システムはちょっと変わっています。聞き込みなどは、何でもかんでも「見せる」です。特定の人物についてききたい時は、その人物の写真を見せる訳です。最初はちょっと面食らいました。ま、最初だけですけどね。そして証言の矛盾をつく時も、証拠品を見せます。ある意味、シンプルで分かりやすいシステムと言えるでしょう。

推理物としてどうかといいますと、こちらの出来も良好です。システムの関係もあって、難易度はかなりのものです(難しすぎかも……)。直接文字で答えを入力するシーンも多く、適当にやっていたのでは絶対クリアできません。作者さんのサイトにヒント(というか答え)がありますので、どうしても行き詰まったらそちらをどうぞ。

展開は、かなり二転三転します。後半はかなり意外な展開を見せます。また、上に書いたように、難易度が高いです。文字入力は特に非常に難しく、行き詰まったらどうしようもなくなるので、セーブはまめにしておきましょう。幸いセーブ箇所は十分(28カ所)あります。推理物の場合、「推理の楽しさを味わって欲しい」という、制作者さんの(プレイヤーにとっては少しもありがたくない)配慮から、セーブ数が制限されている事も多いですが、これはありがたい点です。ただ、既読スキップがないのがちょっと……。まあ吉里吉里ですから、returnキー押しっぱなしでスキップできますし、そもそも選択肢がないので、あってもあまり意味がないという話もありますけど(笑)。

タイトルに「2」とある事から分かるように「1」もあります。そちらも傑作です。「1」とキャラは共通ですが、直接の繋がりはありませんので「2」単体でも問題ありませんが、できれば「1」からやった方がより楽しめるでしょう(だったら「1」のレビュー書けという話ですが、作品の性質上、同じようなレビューになってしまいますので)。

作者さんのサイトには短編推理ノベルもあり、気軽に楽しめます。センスを感じさせますね。とにかく、良く出来た推理ノベルですよ。お勧めです。

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