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サンダガ -Honey's end Supernova-

【サンダガ】 推薦
■制作者/Downkeep(ダウンロード
■容量/131MB

高校1年生の主人公轟源氏朗は、登校時に生徒会長に目を付けられた。生徒会長は彼を知っているようだが……。そしてある日唐突に、主人公とその友人達は生徒会へ強制的に入れられてしまった。バトルあり学園祭あり、慣れない生徒会生活が幕を開ける。多彩な登場キャラの絡みが絶妙な、学園恋愛もの。

ここが○

ここが×

■人呼んでサンダーガール

サンダガ。面白いタイトルです。ファイナルファンタジーの呪文の名前ですね(ファミコン版のIではサンダガではなく「サンガー」だったけど)。その意味は、タイトル画面を見ればすぐに分かります。なるほど「Thunder Girl」の略なんですね。興味をひく、良いタイトルだと思います。それにしても、主人公といいヒロインと言い、もの凄い名前です。キャラ名を捻るとかえって忘れられやすくなったりするものですが、この作品の主人公の名前は間違いなく、一度きいたら忘れません(笑)。

この作品を読んで、「どこかでこの雰囲気は味わったような?」と思ったら、「Midnight Celebration」を書かれた方がシナリオを書いているようです。なるほど、よく立ったキャラクターの軽快な絡み、あるいはちょっとやんちゃなキャラ造型は、あの作品を髣髴させるものがあります。

今作の舞台は生徒会。ヒロインは2名。カリスマ性のある生徒会長咬鳴夜重と、彼女を慕う副会長の寺岬秋子。2人とも年上というのは珍しい設定。学園ものなのに、教室や学食の描写はあまりなく、舞台はほぼ生徒会です。そして、生徒会ならではの展開を見せる物語がなかなか面白く描かれています。

まず、キャラクターが実によく立っています。この作品はかなりたくさんのキャラが出て来ますが、脇役に至るまで造型に隙がなく、またどのキャラにも必ず一度は見せ場がやって来ます。描き方、生かし方の上手さには舌を巻きました。キャラはかなりデフォルメされていますが、ぎりぎりのところでシナリオとのバランスをとっていると思います。デフォルメされてはいますが、ヒロインはどちらも魅力的で、例えば「ヒロインが壊滅的にまずい弁当を作る」など、まずシナリオの流れを澱ませる効果くらいしかないのですが、この作品はその使い古されたデフォルメすらも、上手にキャラ造型、シナリオ展開に取り込んでいます。上手いですね。ただ、主人公は物忘れしすぎだと思います(笑)。

そして、シナリオの展開バランスが良いんですね。この作品は、1日1日を消化していくタイプではなく、作中で結構な時間が流れます。その「流し方」、もっと言えば「端折り方」がとても上手く、長さをあまり感じさせないのに、終わった時にはずっしりとした満足感を与えてくれました。

2人のヒロインのシナリオのうち、私は秋子シナリオを先に読みました。こちらだと一部の謎が明かされず、少々消化不良気味で終わるんですが、メインヒロインの夜重シナリオは七観や猪原と言った魅力的なキャラクターが、一層物語を引き立てています。特に、七観とのエピソードは見事ですし、猪原も単なるちょい役ではなく、ちゃんと美味しい見せ場を持っています。この作者さんは、キャラクターの絡みや魅力的な場面作りに、非常に優れた物を持っていると感じました。

欲を言えば、シナリオがもう一含みあればと言うか、何か後半で膝を打つような伏線があればと。謎はあるんですけどね。それでも、七観との最後のシーンは名場面です。しかし、ウィンドウサイズが800x600なのに、背景に妙な白枠があるのが少し気になりました。画像加工の関係なんでしょうか?

キャラの立ち絵は、濃淡がはっきりしており、キャラ造型によく合っています。そして、画面エフェクトが凝っており、雰囲気を高めていますね。キャラの拡大処理は上手いやり方だと思います。

プレイ時間は2人のシナリオを読んで3時間くらい。ご丁寧にreadme.txtに攻略があるので、迷う事はないはずです(笑)。明るく楽しい、正統派のエンターテインメント学園ものです。誰が読んでも楽しくプレイできる事間違いなしです。(12.1.17追記/公開停止されていましたが、再公開されました。優れた作品ですから、1人でも多くの方にプレイして欲しいですね)。

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