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恋するナガレボシ

【恋するナガレボシ】 ■制作者/糸音(ダウンロード
■容量/25.4MB

志水裕紀と清水優希は、読みが同姓同名の同級生。2人はクラス委員も努めていた。ある日、居残りで先生に頼まれた作業をしている時、ささいな事から口論になり、裕紀は密かに憧れていた同級生に、成り行きで告白する事に。果たして? ちょっとした小技が光る、短編恋愛ノベル。

ここが○

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■夜更けのShooting Star

しばらく立ち絵がある作品ばかり続いたと思ったら、ここのところは立ち絵がない作品が多いです。こういうのって、特定のジャンルが重なる事と同様に、流れというものでしょうか。しかも、一時期「夏もの」がやたら続いたと思ったら、今度は「天文もの」(そんなジャンルあるのか?)が連続。今回は気軽にプレイできる恋愛ノベル、「恋するナガレボシ」をご紹介です。

この作品は、主人公とヒロインの名前の読みが同じという、少し変わった設定から入っています。小説ではたまに見る気がしますが、ノベルゲームでは見た記憶がないですね。この2人は同じクラスでクラス委員を努めていますが、そこでちょっとした口論になり、主人公がヒロインに煽られて、ちょっと気になっている子に告白する事になった、というのが出だしです。

全体にオーソドックスなストーリーではありますが、出だしのつかみは上々で、読み手も「おっ、どうなるんだろう」と思わされます。多くの作品では、物語が一番盛り上がる部分には力が入っていても、つかみの部分がどうにも弱かったりするんですが、この作品はつかみが良好です。また、短いながらも要所要所でポイントとなる出来事がちゃんとちりばめられていて、楽しく読む事ができる作品です。

が、つかみの部分は良いんですが、後半の盛り上がりにちょっと欠ける印象です。何せ、主人公は終始ほとんど何もしてませんし。勢いで告白して、途中も両方のヒロインの間でふらふらという感じで、「もうちょっとしゃきっとしろ!」と言いたくなる事も。せめて、ラストくらいは主人公からヒロインに、何らかのアクションを起こして欲しかったところです。

それと、主人公とヒロインの名前が同じという特徴が、もうちょっと生かされていれば面白かったのではないかと思います。初めて出会った時の過去回想を織り交ぜてみるとか。そういうのも交えていれば、主人公がヒロインに惹かれる理由にもなりますし、お話が説得力を増したのではないかと思います。主人公、唐突に自分の気持ちに気付くし(笑)。そのせいか、サブヒロインの美空の扱いが、ちょっと中途半端になってしまっています、そこらの「主人公とヒロインの距離感」を上手く描ければ、美空の扱いにも納得がいった気がします。

この作品、ちょっと変わっているのが背景です。ものすごーく横に細長くなっており、背景写真の加工もちょっと絵画風で、これはこれで面白い効果を出しています。が、立ち絵がないので、見た目が寂しくなっているのもまた否定できないところ。背景はもうちょっと目立たせても良かった気がします。これで立ち絵があれば、とても面白いレイアウトになった気もするんですが。関係ないですが、今時「ABC」はないだろう、と思ったのは私だけでしょうか(汗)。

登場キャラクターは主人公とヒロインの他は、サブヒロインの美空、それに後は担任の先生と言ったところ。担任の先生がなかなか良い味を出しています。他のキャラクターの動かし方もなかなかで、この作者さんがもっと長い物語を作られたら、面白いキャラクタードラマを生み出せるんじゃないかと感じました。

システムは吉里吉里で、プレイ時間は30分、選択肢はなしです。全体に地味な作品ではありますが、最後にはおまけの1枚絵もあり、この1枚絵がとっても綺麗。テンポ良く読める短編作品です。お気軽にどうぞ。

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