Twinkle little Star
準推薦
■製作者／Project Lips（ダウンロード）
■容量／22MB
大企業の社長の御曹司で大学生の主人公、大城拓真。父の会社で持ち上がった、南海の孤島「美星島」の開発計画。島に向かった父と拓真だが、当然のように住民と会社側が対立。そんな中、主人公が見たものは……。「開発と環境」をテーマにしたノベルゲーム。
ここが○
- バラエティに富んだ４種類のシナリオが楽しめ、ボリューム感十分。
- ヒロインを始め、立ち絵もなかなか上質。
- スクリプトの使いこなしようも上手く、ユーザーインターフェース面も快適。
ここが×
- 主人公とその恋人の設定が設定なので、一般人には感情移入が難しい。
- メインシナリオは、読後感がお世辞にもさわやかとは言いがたい。
- キャラクターの設定がちょっと極端なのは好みが分かれそう。
■心に星を持つ人魚
VectorのPick upでも取り上げられている作品。しかしその割りに２ちゃんねるのまとめページや、レビュー系ページでの評価はあまり高くないように思えます。個人的にはなかなかの良作だと思うのですが……。
評価がイマイチになってしまっている原因としては、やはり主人公の拓真とその恋人の玲奈の設定があるでしょう。大企業の御曹司である拓真の言動は、いちいち小市民の勘に障るような言葉が多いし、玲奈もわがまま放題のお嬢様で、序盤から疲れてしまう人もいるんじゃないでしょうか。まあ、この作品であれば、主人公はああではないと話は進まないでしょうし、最後まできちんとやれば、なかなか作り込まれたシナリオが楽しめるんですが……。
まあしかしそういう設定なので、就職活動中の大学生の方などは、プレイしない方がいいかも知れません（笑）。それ以外のキャラクターも、なんか突っ走りすぎてる島の若者とか、微妙に天然系のヒロインとか、ちょっと特徴が極端と言うのも評価を分けてしまっているんでしょうか。
メインシナリオは、ヒロインである人魚のセピアを中心に、開発と環境をテーマにした比較的重い話です。ですが、展開のさせ方、文章力、そしてちょっと極端気味な性格付けのキャラクター達がうまく話を引っ張ってくれるため、結構すいすいと読み進められます。
ただしテーマがテーマなため、読後感はお世辞にも爽やかとは言えません。まあ、これを良いと取るか悪いと取るかはプレイした人次第だと思います。個人的には良い話だと思いました。「絶対ハッピーエンドじゃなきゃやだ」という方には合わないでしょうが、そう言う方はとりあえず１回クリアしましょう。そうすると、別ルートへの選択肢が追加されます。
この別ルートは３種類あるんですが、コメディありアクションありと、バラエティに富んでいてなかなか楽しめます。人によってはメインシナリオより楽しめるかもしれません（笑）。また、ユーザーインターフェースなどもよく作り込まれていて、プレイ中にストレスを感じる事はないでしょう。主人公とその恋人の言動以外には（笑）。
ゲーム自体の完成度は、さすがにVectorで取り上げられただけあってかなりのものがありますので、とりあえず序盤だけちょこっとやってみて、合いそうならば最後まで、というのが良いんじゃないかと思います。合わない人には合わないでしょうが、ボリューム感たっぷりなシナリオが４本。十分楽しめるはずです。