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バーベキューしようよ

バーベキューしようよ ■制作者/Rhinoceros(ダウンロード
■容量/70.7MB

主人公のもとに、ある日同じクラスの香坂さんから残暑見舞いが届く。その葉書には、バーベキューへのお誘いが書かれていた。香坂さんの事を秘かに想っていた主人公は、すぐさま参加する事に決めた。香坂さんは幹事のようなんだが、頑張り過ぎているのが気にかかる。短編青春ノベル。

ここが○

ここが×

■今年の夏は胸まで熱い

またもちょっと間が空きましたので、短編作品を1本。この作品はLive Makerで作られているのですが、システム画面がLive Makerおなじみのものではなく、凝った作りになっているので、プレイしているところをぱっと見ただけだと、Live Maker製とは気付かないかも知れません。

主人公は高校3年生の男。ある日、同じクラスの香坂さんから、「バーベキューのお誘い」を受けまして、参加する事にします。香坂さんと主人公とは、2年生の時の文化祭でも一緒に実行委員をしているんですが、その時に香坂さんが頑張りすぎているのを目にしている主人公は、今回も、香坂さんが同級生の女子たちに幹事を押し付けられて、頑張り過ぎているのではないかと心配するのですが……という出だしです。

バーベキューしようよこの作品は短いのですが、ヒロインの描写がとてもよくできています。描写は終始主人公の一人称で進み、ヒロイン側の心情が語られる事はないんですが、ささいな言動が実に可愛らしく、思わず頬が緩んでしまう事でしょう。前半で、主人公はヒロインから映画を見に行こうよと誘われるのですが、ここで主人公は訳の分からない理由をつけて断ってしまいます。プレイした人全員が、「そこは行っとけよ!」と突っ込んでしまう事でしょう(笑)。

展開的にも、あそこで少し主人公と香坂さんの交流シーンを描いていた方が、後半がより生きたのではないかと思います。ここに限らず、(短編作品にはありがちな事ではありますが)全体にちょっと端折りすぎている感があるのが気にかかります。2年生の時の文化祭の事も、過去回想などで挿入してみれば(一応ちょろっとだけ挿入されるけど)、より完成度が増したと思うのですが。

さて、中盤からがまた何と言うか、破壊力のあるリア充展開。「お前らさっさと爆発しろ」と思う人も続出でしょう(笑)。もちろんアクシデントもあって、ちょっと香坂さんが可哀想になってしまうのですが、ここらの展開はスピーディかつ適度に波乱があって、なかなか読ませてくれると思います。

まあところが主人公が最後まで鈍い上、フォローがフォローになってなくて、香坂さんに追い打ちをかける始末(笑)。しかも「どっちかと言えば」って何なんだよという感じなのですが(笑)、ラストは一応ハッピーエンド(なのか?)ですし、まあめでたしめでたしなのかな、という感じ。ただし「え、ここで終わるの?」というところでいきなり終わってしまうので、もうちょっと先まで見たかったな、というのが正直な感想です。

ちなみにこの作品は、680x420というなんとも微妙なワイド画面を採用しています。この作品の場合は短い作品ですし、ヒロインの多彩な表情が見られて、これはこれでありかな、という印象。満面の笑みから照れる表情、アクシンデントに涙を流す表情から、主人公の無神経ぶりに静かな怒りを発するところ(?)など、見ていて飽きさせませんし、主人公より逆にヒロインに感情移入してしまうほどです。

ツールは上で書いたようにLive Maker。プレイ時間は30分かからないでしょう。選択肢はありません。おなじみのTAM Music Factoryの音楽が安心感をより演出(笑)。小粒ですが、絵も描写も可愛らしいヒロインを見るためだけにでもプレイする価値はあると思います。しかし香坂さんよ、2人でバーベキューやるのに40分燻さないといけないって、それはいろいろ無計画過ぎだろう……(笑)。

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