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やさしいてのひら

【やさしいてのひら】 ■制作者/CSL Software(ダウンロード
■容量/98.6MB

父の墓参りにやってきた高校生の少女七海。素直になれなかった自分の想いを悔いながら、亡き父へを祈りを捧げていたはずの七海の前に、突如見覚えのない景色が広がった。信じられない事に、そこは昭和47年の世界だった……。ムービー、主題歌と超豪華な、少しファンタジー風味の恋愛ノベルゲーム。

ここが○

ここが×

■おとうさんといっしょ

以前ご紹介した「Snow Destiny 2nd」の作者さん(サークル?)による新作が出ていて、早速プレイしてみましたのでご紹介です。前作も、ムービーやらMP3のBGMやら、そこらあたりにはやたら気合いが入ってましたが、あまりにも短すぎでした。今作は割とシナリオのボリュームもあり、なかなか楽しめました。

シナリオは「時間跳躍もの」と言うか、主人公が30年近くも前にタイムスリップするところから始まります。で、昭和47年の世界で1人の少年と出会う訳ですが…。申し訳ないんですが、開始1分でオチが読めました(爆)。さすがにこれはベタベタすぎでしょう(苦笑)。もうちょっとうまい方法はなかったもんでしょうか?シナリオ自体が別に悪い訳でじゃなく、なかなかしんみりとしたお話だけに、惜しまれるところです。更に、似たような名前が多い上、現実にはなかなかいそうにない名前が多く、一部非常にキャラクターが把握し辛いところがありました。

そして次に目につくのが、文章が変なこと。別に文章力自体がどうこうと言う訳じゃなく、なんか変。時々(頻繁に?)文末に出てくる「v」の記号の意味が、リアル昭和40年代生まれの私にはさっぱり不明(苦笑)。恐らくは、web上で使われる記号(顔文字のように)のようですが、私がよく訪れるページでは見た事ないです。ノベルゲームは何と言っても文章が命なのに、こう言う、一部でしか通用しない記号を使うのは、ちょっと首を傾げてしまいます。

更には、オチが強引。唐突に「実は……」と言う事実が語られたのには、「ちょっと待てーい!」となってしまいました(苦笑)。そしてNScripterのバージョンがかなり古いのはどうした事でしょうか。既読スキップも選択肢までのスキップもなければ、マウスホイールでのシナリオ読み返しもできません。シナリオの容量が結構あるし、バッドエンドもちゃんとあるんですから、何とかならなかったんでしょうか。NScripterの最新版を使えば簡単に解決できる点だけに、ここはちょっと減点材料です。

そして、クリアすると「想い」と題されたエピローグ(番外編?)がプレイできるんですが…。個人的にはちょっと蛇足に感じました。いえ、まあまあよくできた話で綺麗な終わり方もするんですが……。もしくは、本編のラストがちょっと唐突な点に対するフォローなんでしょうか?

さて、前作同様ムービーやMP3のBGM、主題歌が売りとなっています。歌やムービーは、なかなか良く出来てて、プレイ前に雰囲気を高めるのに一役買っています。オープニングで海の上を走る電車を見て、私はJR瀬戸大橋線を思い出しました(笑)。BGMは、素材なのか自作なのか分からないんですが、非常にレベルが高いですね。ゲームの雰囲気にもよく合っていると思います。ただ、グラフィックス周りは少々微妙なのが残念なんですが…。あとは、昭和47年が舞台なのに、その雰囲気が薄いというか…。昭和45年生まれの私としては(笑)そこがちょっと気になりました。

うーむ、なんか今回も辛口ばかりになってしまいましたが、やはり容量が大きい作品には、私はそれなりのものを求めてしまう傾向にあるようです。シナリオは独特の雰囲気を持っていてなかなか良いですから、ほのぼのとした雰囲気を持つ感動系がお好きなら、プレイして損はないと思います。既に紹介した作品の中では「ぼたんゆき」あたりがお好きな方にはお勧めです。

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