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私は反面教師

私は反面教師 ■制作者/皆楽主義(ダウンロード
■容量/19.0MB

高校教師の筧春次は、実は未来人。未来の教育を変えるために荒れ放題の高校に勤務し、生徒達のデータを毎晩未来へ送信している。ある日そのデータを収めたUSBメモリーを紛失してしまった。春次は過去へさかのぼってUSBメモリーを探しに行くが。短編SFノベル。

ここが○

ここが×

■私は私を見ています

タイムリープ(時間跳躍)ものは、フリーのノベルゲームでは結構取り上げ易いテーマです。いわゆるループものも含めればかなりあるのではないでしょうか。最近ですと「Fizz」がそうですし、他にも探せばいくらでも出て来ます。

ただ、通常のタイムリープものやループものだと、過去の展開自体をもう一度やり直すものが多いのですが、この作品の場合は、時間軸が過去に戻るのではなく、主人公自身に時間跳躍能力がある、すなわち過去の自分は存在したままに過去に戻る、というのがちょっと変わった特徴となっています。「過去をやり直す」のではないのですね。ドラえもんのタイムマシンのごとく、「目的を持って一時過去へ戻る」のです。

私は反面教師主人公の筧は高校教師ですが、実は未来の教育を変えるために過去へやってきた、未来人という設定です。主人公が勤務している高校は風紀が荒れ果てており、特に主人公が担任を勤める1年D組の4人の問題児たちは、特に酷い有様。そして主人公は最初はまったくこの4人に関わろうとしない無気力教師ぶりを見せます。

その事については作中で一応説明されており、「未来人は過去には干渉してはならないから、生徒に余計な関わりを持たない」んだそうです。しかしそんな事を言っていたら高校教師など務まるはずもない訳で(汗)。ここらは、もうちょっと上手い理由づけが欲しかったところです。事実、後半過去に飛んだ主人公は、あっさり態度を変えてしまう訳で、それは問題ないのか、と……。

そして主人公は過去に戻って目的を果たそうとするのですが、何と言うかあまりタイムリープもののメリットを感じないというか……シナリオ的にタイムリープならでは、という作りになっていないんですよね。過去に戻らなくても話が成立し得るというか。また、「過去に干渉するのは駄目だ」と言いつつ、なくし物を探すという理由だけで過去に戻る主人公に、若干ツッコミを入れたい気分に(笑)。ただ、ここでの主人公は体を張って生徒を守ったり、結構熱いところを見せます。タイトル通り自分を反面教師として筧の段々変わって行くのは、見ていてなかなか興味深いです。

4人の生徒達は、問題児揃いではあるんですが、特にラスト(深夜)に現れる木田は、根っから悪い奴ではないようで、ラストへ向かう展開の鍵となります。ただ「その行動はいきなりすぎないかお前」と言いたくなりたいところもあるんですが、後半はなかなか盛り上がる展開を見せてくれるので、よしとしましょう。

ラストの展開も少々唐突に感じるところがなくもないのですが、短編ものとしては起承転結はしっかりしており、綺麗な終わり方だと思います。個人的には、USBメモリーに入っていた秘密のフォルダーの画像がどんなものだったのか、非常に気になります(笑)。クリア後のおまけシナリオで、一瞬その中身が見られるんじゃないかと期待した私(そんな訳はない)。

ツールはLive Maker。選択肢はあってないようなものですし、ラストの選択肢も、終わりまで見た後「別の選択肢を試す」というのが出て来るので難易度はゼロです。プレイ時間は20分程度。解凍した後、何故かもう一度解凍する必要があるのが謎ですが、容量はコンパクトですぐダウンロードできますので、空いた時間にでも気軽にプレイしてみてください。

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