Welcome to NaGISA net

▲PREV ▼NEXT

Flood of tears

【Flood of tears】 ■製作者/TMS(ダウンロード
■容量/3.1MB

主人公は普通の高校生。仲の良い女友達である雛乃と何気ない日常。そしてある日彼のクラスに篠山宇海という転校生がやってきた。宇海の、何か秘密を隠しているかのような不自然なまでのよそよそしさ、そして主人公の幼い日の想い出……。想い出の少女は誰なのか。

ここが○

ここが×

■なぜだろう……涙が止まらない……

Flood of Tears。直訳すれば「涙の洪水」です。タイトルから「泣ける作品なんだぞ」と主張しています(笑)。実際、後半は結構ほろりとさせられるところがありました。この作品で一番困ってしまうのは、Vectorでアドベンチャーではなく「シミュレーション」に入っている事です。シミュレーション的要素は、当然何らありません(爆)。

ぱっと見て印象的なのが、立ち絵のレベルの高さ。かなりうまい部類に入るんじゃないでしょうか。ただ、表情に乏しくせっかくのキャラの魅力を十分活かせているとは言い難いのが惜しいところ。そして、立ち絵のレベルの高さに反比例するがごとく、背景画像は何と言うか投げやりです(笑)。ただ、だからと言って決して下手という訳ではなく、油絵のような雰囲気があり、これはこれでいいかなという気もしますが。

文章は、ちょっと微妙な感じです。いかにもKanonなどの、いわゆる「葉鍵系」に影響されたんだなというのが、読んですぐ分かります(苦笑)。主人公がまさにそんな感じですし、ギャグもそんな感じで、面白い事は面白いんですが、時々ギャグが上滑りしているところがあるのが気になりました。シャーク先生とのやり取りは面白すぎですけど。というか、シャーク先生については、「ベスト先生賞」へのノミネートを進言したいですね(意味不明すぎ)。

シナリオは、後半はなかなかほろりとさせてくれる展開です。ただ、前半とのバランスが悪いように思えますね。前半は、まるっきり日常話が続くだけで、突如急展開。「私は実は○○で……」となった時、モニターの前の私はしばし固まってしまいました(苦笑)。どうも、前半は適当にくっつけたようなイメージが拭えません。前半にもう少し伏線をめぐらせ、バランスを整えるだけでかなり違ったと思うんですが……。「前半は冗長、後半は唐突」になってしまっており、ちょっと惜しまれます。伏線の張り方を一工夫すれば、かなり変わったような気がします。

音楽ですが、同じ音楽が延々流れ続けたり、「演出」としての音楽と言う意味では、もう少しうまい方法があったように思えます。音楽それ自体は素敵な曲が多く良かったんですけどね。曲は良いんですから、曲の使いどころにもうちょっとこだわって欲しかった気がします。

個人的には「惜しい佳作」くらいの位置取りですが、いわゆる「葉鍵系」が好きな方なら、ツボに入る作品なのではないかと思います。プレイ時間は1時間半程度。後半は突然バッドエンドが来る事があるので、頻繁なセーブをお忘れなく。

▲PREV ▼NEXT



(c) NaGISA net All rights reserved.
inserted by FC2 system