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Silence~涙をふいて

【Silence~涙をふいて】 準推薦
■製作者/Circle Mebius(公開停止)
■容量/17.7MB

主人公の悠次は、妹の一葉と2人暮らし。夏休みに入り、一葉はアルバイトを始めると言う。そして悠次がよく訪れるギャラリーにふと立ち寄ると、新しく入ったアルバイトの子は、なんと妹の一葉だった。テキスト350KBの長編感動系ノベル。

ここが○

ここが×

■妹属性な方は必携?

ギャルゲー好きな方には、「妹属性」なるものがあるらしいです(笑)。まあ、私は男ばかり3兄弟の長男ですから、妹がいる人の気持ちは想像でしかうかがえませんが、ゲームに出てくるような妹なんて、そうそういないような気がするのは私だけでしょうか。ま、だからこそそう言ったゲームが多数出るんでしょうが(苦笑)。

さて、このゲームのヒロインは妹です。ただの妹ではありません。今までのような「血の繋がりのない妹」「妹みたいな立場の年下の幼なじみ」ではなく、「本当の、血の繋がった妹」です。ある意味、最強の「妹萌えノベル」かも知れません(笑)。

この作品、基本的には一本道です。バッドエンド直行の引っかけ選択肢にさえ注意すれば、誰でも最後まで行けます。シナリオは、ギャルゲー特有の「序盤はただの日常」です。私は本来そう言った展開は好まないんですが、この作品に関しては序盤も楽しく読めました。恐らくは「テンポ感」と「端折り方」がうまいんじゃないかと思います。なぜかしゃべる猫が出て来たり、バイトがメイドだったり、「ヲタク感」全開なんですが、キャラの絡ませ方、描き方などは非常に見事で感心させられる事しきりでした。なので、読んでて素直にキャラクターのかけあいを楽しむ事ができました。

そして、中盤から後半にかけてはかなりシリアスな感じで盛り上がります。ただ、中盤あたりで主人公の一葉に対する言動が変化するんですが、その当たりの主人公の心境の変化は、見ていてちょっと付いて行けませんでした。もう少しあの辺りの展開で、主人公との「シンクロ率」が高くなっていれば良かったんですが。

更に終盤なんですが、ちょっとくどすぎるように感じました。くどすぎる上に、取り立てて意外な展開ではないんですよね。終わると思わせていつまでも終わらないベートーヴェンの第5交響曲第4楽章みたいに(笑)。表現をもうちょっと切り詰めた方がいいように思いました。基本のシナリオは十分にしっかりしているんですから、その方がより魅力的な終盤になったんじゃないでしょうか。

あとは、メイドのバイトとかしゃべる猫とかの「いかにもヲタクっぽい」設定が、引っかかる人には引っかかると思います。普通に、「喫茶店のバイトで、マスターは渋いおじさん」とかでも良かったんじゃないかと。キャラの描写やキャラ同士の絡みは非常に良いだけに、ここは気になりました。

テキスト量350KB(つまり17万5千文字)はさすがに伊達ではなく、かなりのボリューム感です。ヲタク的な設定や絵柄にさえ抵抗がなく、いわゆる「ギャルゲー」が好きであれば、かなりお勧めできる作品です。(09.11.1追記/公開停止していますが、レビューは資料として残します。未だにHDDに残している、好きな雰囲気の作品だったんですが……)

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